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     ジバ選手のスパイクフォームより
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投稿者 スレッド
オリビア Re: ジバ選手のスパイクフォームより  /  投稿日時: 2006-11-29 10:48
へりくつ道場師範
登録日: 2006-1-5
投稿: 352
年齢区分: 20歳以上
バレー暦: ウン十年
性別: 男性
鴨長明の方丈記で「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。」とありますが、一見、同じように流れているように見える川の水は刻一刻と違った水の分子が流れています。これは仏教の「無常観」に基づいたものですが、世の中の物は常に同じというものはありません。

バレーボールのスパイクも常に同じトスボールがあがることはありません。似ているボールが上がっても数ミリのずれはあるはずです。また、相手のブロックやレシーブのマークも違っています。スパイクを打つときの状況は一本一本全て違っています。ここで優秀な選手はスイングを早めてタイミング速く打ったり、わざと「ため」を作って相手のブロックの降り際に打ったりと「時間」の出し入れを行って決定率をあげていきます。そのためにトッポジージョさんが気づいたように状況によってスパイクフォームが違って見えます。

ここで注意するのは初心者の選手の打ち方のようにボール一本一本違っている「バラバラのフォーム」と区別しなければならないことです。彼らはフォームが身についていないので、同じ動きをしようと思っても出来ないからです。ジバ選手が相手に応じてフォームを変えていることと全く違います。ただ、そのジバ選手にしても「相手がこう来たから『フォームA』で行こう」とか「このパターンだから今度は『フォームB』で」というようなスイッチを切り換えのように使い分けているのではないと思います。そもそも、わずか1秒の数分の一の所要時間でしかないスパイクスイングの途中の動きは意識できないのでスイッチを入れるような切り換えは無理です。

一人のスパイカーの多くのスパイクシーンを見ると、ジバ選手に限らず、フォームが違って見えることが良くあります。苦し紛れに打つ場合にやむなくフォームを変える場合もありますが、状況によってもフォームは変わります。具体的には昔の日本の女子のエースは普段は大きな「O型」のサーキュラースイングで打っていましたが、短いトスを内側の切り込む時は「D型」のサーキュラースイングになっていました。タイミングを早めようとして本人も無意識の内に「O型」から「D型」にスイッチしたのであると思います。

スパイクフォームは一本一本のスパイクを打つ度に選手が造り上げる創造的な動作であると思います。初心者は一本一本造り上げる度にタイミングや順番が違ってしまうので違ったフォームになりますが、上手い選手は上手くまとめ上げて、見事なスパイクにします。この見事なスパイクにするためには微妙にフォームの部分部分を変更して全体としてまとめ上げます。料理の玉子焼きなんかも素人さんが焼くと焼きすぎたり、ふわっとしなかったり色々な焼き具合になりますが、コックさんが焼くといつもおいしい焼き加減になります。素人さんは料理の本を見た通りに焼く時間を決めて焼きますが、コックさんはその日の卵の質や火加減、フライパンの具合をみて、焼き方を微妙に変えて焼き上げるので、同じようなおいしい玉子焼きが焼けるのです。「どんなボールも同じように決められる」という優秀な選手は「同じように」という部分の陰に「変えている」部分があるのだと思います。
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題名 投稿者 日時
   ジバ選手のスパイクフォームより トッポジージョ 2006-11-28 23:49
   » Re: ジバ選手のスパイクフォームより オリビア 2006-11-29 10:48
       Re: ジバ選手のスパイクフォームより トッポジージョ 2006-12-4 9:10
         Re: ジバ選手のスパイクフォームより オリビア 2006-12-4 12:15

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