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オリビア | バレーボール選手のためのドーピング講座 / 投稿日時: 2006-3-14 22:40 |
へりくつ道場師範
登録日: 2006-1-5 投稿: 352
年齢区分: 20歳以上
バレー暦: ウン十年
性別: 男性
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オリビア | (1)イントロダクション / 投稿日時: 2006-3-14 22:41 |
へりくつ道場師範
登録日: 2006-1-5 投稿: 352
年齢区分: 20歳以上
バレー暦: ウン十年
性別: 男性
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ドーピングは不正に競技能力を向上させることのすべてを言います。競技能力を向上させることはアスリートであれば誰もが願うことです。「高い身長」「強い筋肉」「疲れ知らずの持久力」「みなぎる力」「あがらない心」といったことを手に入れたいという気持は絶対に持っているはずです。一生懸命にトレーニング、練習をすることでこれらを獲得して試合に備えるのがアスリートです。
持久力を向上させるためには酸素を運搬する赤血球が増えると有効です。赤血球を増やすためにマラソンなどで行われている厳しい高地トレーニングを行うことは立派なトレーニングの方法です。しかし、血液を増やすホルモン剤(エリスロポエチン)や輸血を使っても短時間に赤血球が増え、持久力に対して大きな効果が得られます。このようにクスリを安易に使って競技能力を上げることは一生懸命にトレーニングをしている選手からみれば非常にアンフェアで不公平なことです。そのために現在、スポーツ競技団体ではこのようなホルモン剤を使うことや輸血を行うことを「ドーピング違反」として禁じるのです。ドーピングを禁止する第一の理由はお互いに同じ条件で、フェアに戦いましょうという「スポーツマン精神」から来ています。 また、本来、病気の治療のために使うクスリを健康な選手が使えば健康を損なう可能性があります。事実、陸上界ではかつてのトップアスリートが若くして急死しましたが、この選手はかねてからドーピング違反の疑いを持たれている選手でもありました。ドーピングを禁止する第二の理由は選手の健康(生命)を守るためです。 |
オリビア | (2)どんなクスリが禁止されているのでしょうか? / 投稿日時: 2006-3-14 22:42 |
へりくつ道場師範
登録日: 2006-1-5 投稿: 352
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日本体育協会のホームページにも「使用可能薬物」と「禁止薬物」のリストがあります。ここを調べると使えるクスリと使えないクスリがはっきりします。クスリについて迷ったらまずはここを覗いて確認しましょう。
http://www.japan-sports.or.jp/doping/d_kokutai/kinshi.html#kanou 残念ながら、体育協会のリストだけではすべてのクスリを網羅できません。クスリには商品名と一般名があります。商品名はクスリのパッケージに記載されている名前で、一般名とはクスリの学名です。クスリの商品名と一般名を結びつけ更にその薬理作用を考えるためには専門的な知識が必要です。医師や薬剤師が中心となって、ドーピングは考えていかなければなりません。 もう一つの問題はドーピングの禁止薬物やルールが毎年変わっていくことにあります。代表的な薬物に「カフェイン」があります。カフェインはお茶やコーヒーに普通に含まれている物質ですが、興奮剤として使われることがあったので今までは禁止薬物でした。現在(2006年度)のルールでは「監視プログラム(※)」として禁止薬物から外れています。他にも今まで禁止薬物だったクスリが禁止リストから外れたり、今まで問題なく使えた薬物が新たに禁止薬物に加わることも珍しくありません。 ※ 監視プログラム 説明が難しいのですが、「禁止薬物」となっていませんが、「監視」はされている薬物です。使用の動向によっては今後、再び禁止薬物になる可能性もあるので要注意。カフェインの他にもいろいろなクスリがあります。 |
オリビア | (3)クスリは全部だめなの?治療用のクスリも使ってはだめ? / 投稿日時: 2006-3-14 22:43 |
へりくつ道場師範
登録日: 2006-1-5 投稿: 352
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世の中には多くのクスリがあります。クスリはもちろん、病気の人を救うためにあります。病気を持っている選手が治療のためのクスリを使うことは当然のことです。しかし、同じクスリも人体には病気を治す以外の作用もあります。
クスリは同じ薬効でもドーピング禁止薬物と無縁のクスリもあります。まずは変えられるものであればお医者さんに頼んでドーピングと関係ないクスリにかえてもらうようにします。 治療用のクスリの中にドーピング禁止薬物が含まれる場合があり、どうしても代用薬がない場合もあります。この様な場合は主治医に治療のための正当な利用であることの証明書(TUEと呼びます)を書いてもらって該当のクスリを使えるようにすることも出来ます。 クスリの投与の仕方は飲むだけでなく、注射、目薬、鼻や口からの吸入、皮膚への塗り薬などがあります。このようなクスリも皮膚や鼻腔粘膜を通して体内に吸収されるので、ドーピング検査の時に検出されます。いずれにしても量は少ないので多くのクスリは特別な届け出なく、使用可能です。しかし、クスリはクスリであり、あまりにも過剰に使うと体内の濃度も上がり、禁止薬物を経口投与した時と同じぐらいの濃度になる可能性もあります。 上段は「TUE書類」、下段は「略式TUE書類」 |
オリビア | (4)検査はどうやっている? / 投稿日時: 2006-3-14 22:43 |
へりくつ道場師範
登録日: 2006-1-5 投稿: 352
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まずは検査機関ならびに検査の基準についてです。ドーピングを検査したり判定するための国際的な機関に世界アンチ・ドーピング機構(WADA)があります。今まで、国や競技会でまちまちだったルールを一本化した団体です。一方、日本国内には日本アンチ・ドーピング機構(JADA)があります。日本でのドーピング検査の取りまとめをし、また、ドーピング検査に携わる医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師などを養成し、ライセンスを発行しています。
現在ドーピング検査は原則として世界中どこでも同じ基準で検査を行っています。日本体育協会やその傘下である各県の体育協会、競技団体(日本バレーボール協会)なども原則として同じ基準で検査を行っています。オリンピックや世界選手権、ワールドカップ、Vリーグ、国体はすべて同じ基準で検査を行われていることになります。 検査は尿(おしっこ)を採取して行うことが一般的です。クスリは体内で代謝分解されると必ず尿中に排出されるからです。(一部の持久系のスポーツで血液を採取して検査する場合もあります) 検査には競技会検査(試合直後に行う検査)と競技外検査(試合と関係なく抜き打ち的に行う検査)の二つに分けられます。最近は抜き打ち検査が行われることが多くなってきています。ホルモン剤などは微量でかつ体内に残っている時間が短いために試合前にやめてしまえば検出されません。そのような物質を検出するための措置が競技外検査です。 世界と日本におけるアンチ・ドーピングの機構図 ドーピングの尿検体を採取するカップ 検査室に尿検体を送るためのガラスの容器と発砲スチロールの保温コンテナ バレーボールワールドカップでのドーピング検査室(国立代々木体育館) |
オリビア | (5)違反になればどうなるのか? / 投稿日時: 2006-3-14 22:44 |
へりくつ道場師範
登録日: 2006-1-5 投稿: 352
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これは競技会の主催がどこであるのか、どのような禁止薬物を服用したのかでの対応が違ってきます。オリンピックであればメダルが剥奪されるのはもちろんですが、選手として資格が剥奪されます。世界アンチ・ドーピング機構(WADA)のルールは下の通りです。
………………………………………………………………………………………………………… 禁止物質及び禁止方法に関する資格剥奪措置の賦課 第10.3 項に定められた指定物質を除いて、第2.1 項(禁止物質、その代謝物又は マーカーの存在)、第2.2 項(禁止物質・禁止方法の使用、又は使用の企て)、及び 第2.6 項(禁止物質又は禁止方法の所持)の違反に対して課される資格剥奪の期間 は、下記のとおりとする。 1 回目の違反 − 2 年間の資格剥奪 2 回目の違反 − 一生涯にわたる資格剥奪 ただし、競技者等の者は、各事案において、第10.5 項に従って制裁措置の免除 又は軽減の根拠を立証する機会を制裁措置が課される前に与えられるものとす る。 10.3 指定物質 物質の中には医薬品として広く市販されている性質上、又はドーピング物質と して乱用しにくい性質上、不注意によりアンチ・ドーピング規則違反を特に誘 発しやすいものがある。禁止リストにおいて、この種の指定物質を指定できる。 指定物質の使用が治療目的であって競技能力の強化でないことを競技者が立証 できる場合、第10.2項の資格剥奪期間に代わって下記の措置を適用する。 1 回目の違反 − 警告、戒告処分とし、将来の競技大会における資格剥奪期間 の期間をゼロとする処置を最低限とし、資格剥奪期間は最 長1 年間までとする。 2 回目の違反 − 2 年間の資格剥奪。 3 回目の違反 − 一生涯にわたる資格剥奪。 ただし、競技者、あるいは他の者は、第10.5項に従って(2 回目及び3 回目の違 反の場合には)上記制裁措置の免除又は軽減の根拠を立証する機会を制裁措置が 課される前に与えられるものとする。 ………………………………………………………………………………………………………… イタリアではドーピング違反は国の法律で罰せられます。たとえ日本人選手でもイタリアでドーピング違反をすれば警察に逮捕される可能性があります。 |
オリビア | (6)選手指導者としての対策 / 投稿日時: 2006-3-14 22:45 |
へりくつ道場師範
登録日: 2006-1-5 投稿: 352
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バレー暦: ウン十年
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では 競技者側としてはどのような心づもりでドーピングをかんがえるべきでしょうか?もっとも知りたいところだど思いますので箇条書きで詳しく書きます。
(A) 正確で最新のドーピングに関する知識を入手する 現在の世界水準は「世界アンチ・ドーピング機構」です。ここはホームページも充実しており、世界に向けて情報を発信しています。同機構が出しているルール(WADA-code)が事実上の最高法規です。 世界アンチ・ドーピング機構(英語 http://www.wada-ama.org/,) 日本のサイトとして「日本アンチ・ドーピング機構」があります。ルールの日本語版もありますし、トピックスもあり、世界におけるアンチ・ドーピングの動向を知ることが出来ます。 日本アンチ・ドーピング機構(http://www.anti-doping.or.jp/index.html,) 「(財)日本体育協会」のホームページにも国体を中心としたドーピングに関する重要な情報が出ています。上記の団体はドーピング検査をする側の立場ですが、こちらは競技団体側としてのドーピングが書かれています。 (財)日本体育協会(http://www.japan-sports.or.jp/doping/index.html,) バレーボーラーであるならば「日本バレーボール協会」のホームページも忘れてはいけません。ここは日本協会のドーピング担当のドクターに質問できるフォームあります。どうしても困った場合は相談にのってもらいましょう。 (財)日本バレーボール協会(http://www.jva.or.jp/jva/doping/index.html,) (B)日々の生活から考える ドーピングは選手をいじめる物ではありません。治療にどうしても必要なクスリの使用を禁ずるものではありません。しかし、手続きを踏まずに「うっかり」して禁止薬物を使ってしまった場合も違反は違反です。 |
オリビア | (7)サプリメント、市販薬 / 投稿日時: 2006-3-14 22:46 |
へりくつ道場師範
登録日: 2006-1-5 投稿: 352
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バレー暦: ウン十年
性別: 男性
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もっとも頭を悩ますのが、サプリメントと市販薬の使用方法です。サプリメントは「補助食品」と呼ばれるようにクスリの仲間には入っていません。内容はプロティン、アミノ酸、ビタミン類、電解質、酵素剤と用途によりいろいろとあります。食品とクスリの中間に位置づけられますが、クスリの成分を含むものもあります。そして、クスリの成分を含むものの中にはドーピング禁止薬物を含むものもあります。特に外国製のサプリメントは成分表以外の物質が入っている可能性があると言われています。外国製のサプリメントは使わない方が無難です。日本アンチ・ドーピング機構では安全に使えるサプリメントを認定しています。どうしても使う場合はこの中から選ぶ方が良いと思います。
日本アンチ・ドーピング機構認定サプリメント (http://www.anti-doping.or.jp/sponsor/licence.html,) 市販薬は誰でもお医者さんの発行する処方箋なしに薬局、ドラッグストアやコンビニで変えるクスリの事をいいます。市販薬の特徴は病院や調剤薬局で出すクスリと違って、色々な成分が入っている点です。たとえば、総合感冒薬いわゆる「かぜグスリ」の中には「熱を下げる成分」「せきを止める成分」「鼻水を抑える成分」などのいろいろな成分が入っています。咳を止める成分として使われるものに「エフェドリン」「メチルエフェドリン」という成分がありますがこれは尿中に10μg/dl以上排出されると違反となります。また、エフェドリンは元々、漢方薬の麻黄(マオウ)を原料として抽出されたもので、麻黄を含む漢方薬などでも違反となります。他にも興奮剤(ホミカ=ストリキニーネ)の入った胃薬や男性ホルモン(!)の入ったドリンク剤もあります。 |
たれいらん | ありがとうございました! / 投稿日時: 2006-3-15 23:00 |
管理人
登録日: 2005-12-8 投稿: 391
年齢区分: 20歳以上
バレー暦: ウン十年
性別: 男性
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オリビアさんありがとうございます。知りたいことがかなり網羅されていますね。
私にとってはサプリメントについてが特に知りたいことでした。今使っているプロテインは認定されているものだと知って安心いたしました。 このスレッドはしばらく「技術戦術掲示板」のトップに固定しておきます。 |
AkenoBenjiro | Re: バレーボール選手のためのドーピング講座 / 投稿日時: 2011-1-21 17:45 |
へりくつ道場入門したばかり
登録日: 2011-1-21 投稿: 1
年齢区分: 20歳以上
バレー暦: 観戦のエキスパート!
性別: 男性
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実際に高地トレーニングを行うと、マラソンのトレーニングが良い方法ですと、赤血球は、このような増加することが困難されている。一人一人だからこれを行うにしてみてください。シアリス
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