『魂』を揺さぶる読み物

一言・・・by芭麗人さん2005-10-16

練習試合のあとの『一言』が苦手である。 必ず相手チームが全員でやってきて『一言お願いします』と言われるが、そもそもその『一言』が思いつかない。 (だいたい自分のチームのことだけに一生懸命で相手がどうだったかなど全く覚えていないのが本当なのであろうが) 実際には彼らは・本当は早く終わりたいので『何も言わなければいいのに 』などと思っているのでは・・と考えてしまうのでもあるが・          『では一言』と言い、続けて『頑張ってください、今日はありがとう』と半分ふざけたようになってしまう。 指導者の中には丁寧に『あそこをこうしたほうがいい、ここをこうしたほうがいい・・・。』などと指導してくれる人もいて感謝であるが,私などはとても技術指導などできないし、その場の言葉を持っていない。          そもそも一人一人身体的な状況やチーム事情もそれぞれ違い、それまでの色々な指導者による指導過程を考えると、とってもチームや個人に対して『この方が・・』などの言葉をかけるほどの自信がない。  結局はにこにこ笑いながら『お疲れさま、また頑張ろう・・』になってしまう。・・・・・けしてふざけているのではないのであるが・・。           しかし,時として真剣にバレーに取り組んでいる若い指導者のこれからのチームにはこんな言葉を掛ける。 『君たちは本当に幸せだね、素晴らしい先生に教わって・・A先生は僕よりも年はズッと若いけど、僕の尊敬する指導者の一人なのです。先生の言うことをきちんと聞いて一生懸命練習をしなさい。その答えは必ず出るよ・・是非またお願いします』・・ 今から20年以上前のことであろうか。当時全国に10数年連続出場している、A高校に選手をつれて練習の見学をお願いしたことがある。 B 監督は『折角だから、コートに入りなさい、ゲームをしよう』と言って下さった。お言葉に甘えて選手をコートにいれたが当然のようにレシーブは出来ないし、ましてスパイクなどは相手コートに入らない、チャンスボールでさえ相手に返すことができないほど(勿論その程度の選手と私なのだが)の出来だった。貴重な練習のじゃまをしたようだった。    申し訳なくて、恥ずかしくて言葉を失っている私の選手たちの『一言お願いします』の言葉に、先生はこう言って下さった。                『なかなかやるじゃないか。すぐにうちに追い付くさ。それにしても君たちは幸せだね、若さからいっても指導力から言っても。こんな素晴らしい先生に教わることが出来るなんて。先生を信じて、先生の言うことを良くきいて、一生懸命練習しなさい。その答えは,必ず出るよ。』               (この一言)は選手達を燃えさせた、そして選手達が私の言葉を聞いてくれるようになった。そしてなにより私が熱くなった。   明らかに選手と私の『魂』が揺さぶられた『言葉』であった。

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一見すると本書は、書店でよく見かける、大昔の常識をそのまま載せた入門書の仲間ようにも見えます。しかし、内容の誠実さは群を抜いて素晴らしいものがあります。

肩書きだけの入門書(元全日本など)とこの本とを同じようなものだと考えると、バレーボール人生において損をすることになるでしょう。

書店にも良く置いてありますのでぜひ一度手にとってご覧下さい。

『基本から戦術まで バレーボール』についての詳しい書評やコメントの投稿はこちら

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