踏み切り時の体の向きの違い
サーキュラー・アームスイングとストレートアームスイング(ボウ・アンド・アロウ・アームスイング)の踏み切りからスイングに至るフォームの「成り立ち」を体幹の動きも含めてもう一度考えてみます。
サーキュラー・アームスイングの踏み切り。両胸のラインがサイドラインに平行になっていて、ネットに対しては直角になっています。
ストレート・アームスイング(ボウ・アンド・アロウ・アームスイング)の踏み切り。両胸のラインがネットに対して平行になるように真っ直ぐに入っています。
これらのスイングは踏み切りの時点からすでに違っています。建物が基礎工事の土台の上に築かれていくように「踏み切り時の体の向き」という土台が決まると、その後のスイングフォームが築かれていきます。そして、次に示す簡単な二つの原則がスイングを決定します。
【原則1】腕は体の前で引き上げる
三人の選手の助走からの踏み切りと腕の引き上げの連続写真を見てみます。
一番目の選手はボウ・アンド・アロウ・アームスイングの選手です。前述した通りに両胸を結ぶ線がサイドラインに直角(ネットに対して平行)に近くなっています。下の二人の選手はサーキュラー・アームスイングの選手です。踏み切り時に両胸を結ぶ線がサイドラインと平行(ネットに対して直角)になっています。三人の選手とも腕は助走のバックスイングに引き続いて、真下に下げた位置から体の前を通り、ほぼ直角に引き上げられています。フォームの違いにより踏み切り時の体の向きが異なっても腕の引き上げ方は同じです。
【原則2】バックスイング=腕をネットの反対に引く
腕は体の前で引き上げた後、後ろに引いていわゆるバックスイングを行います。この三選手に共通の動きは腕を引く方向がネットの反対の方向、つまりこれから打つ打球と反対の方向になることです。
バックスイングでネットの反対に向かって腕を引くという点は三つのスイングフォームの違いに関わらず同じです。バックスイングの「バック」とはネットに対する「バック」であると考えると都合がよさそうです。
こう見て来るとバックスイングまでの動きはどのスイングであろうと
【原則1】腕は体の前で引き上げる
【原則2】バックスイング=腕をネットの反対に引く
という二つを原則が成り立つと考えることができます。
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