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三種類のスイング

  (1) ストレート・アームスイング(Straight Arm Swing) 

 腕の動きとしては最も簡単です。手を体の前で頭の上まで振り上げ、そのまま振り下ろしてボールを打ちます。バレーボールを経験したことがない人がはじめてスパイクを打つ時にはストレート・アームスイングとなる場合がほとんどです。正月遊びの羽子板や初心者のバドミントンの上手(うわて)からの打ち方もストレート・アームスイングとなっています。ストレート・アームスイングはボールに対して体を真っ直ぐにして入り、最後までボールを体の正面でしっかり見て打てるので、打ちやすいという面があります。

(2) ボウ・アンド・アロウ・アームスイング(Bow And Arrow Arm Swing)


 手の振り上げ方の前半はストレート・アームスイングとほぼ同様で、体の前から振り上げます。しかし、肘を顔の高さまで振り上げた後、後方に引くようにしてバックスイングします。「肘を引く」と書きましたが、実際は体幹を(右利きでは)右回りで回旋することにより、肘が後方に移動します。Bow(弓)とArrow(矢)のたとえ通りに弓道やアーチェリーの弓を引く動作に似ています。ボウ・アンド・アロウ・アームスイングはスパイクスイングの代名詞のように考えられていて、アメリカの指導書にはどの本にもスパイクの解説のページには‘Bow and Arrow’という言葉が必ず出て来るぐらいに一般的です。

(3) サーキュラー・アームスイング(Circular Arm Swing)

 典型的なスイングでは手が肩の下を通り、後方に向かってスイングします。ゴルフのバックスイングのようなダウンスイングです。手を顔の前に振り上げるストレート・アームスイングやボウ・アンド・アロウ・アームスイングと反対の動きとなりますから、やや奇妙に見えます。スイングの全過程を眺めると肘が肩を中心とした円を描くように回転しています。野球のピッチングのオーバースロースイングやテニスのオーバーハンドサーブはすべてサーキュラー・アームスイングであり、野球やテニスでは自然なスイングという事になります。

 かつての全日本女子のエース横山樹里選手。

 肘を伸ばして手を下げた状態から腕を風車のような大きな円を描いて回転させるサーキュラー・アームスイングです。スパイクの破壊力はこの時代の他の選手とは比較にならない位に強烈でした。


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